厚生年金の受給権者1人当たり年69.3万円|神奈川82.1万・青森48.4万

厚生年金の受給権者1人当たり年69.3万円|神奈川82.1万・青森48.4万

2022年度の厚生年金保険の受給権者1人当たりの年金額は、全国で年69.3万円だった。都道府県別では神奈川県が82.1万円で最も高く、青森県が48.4万円で最も低い。国民年金の受給権者1人当たりの年金額は全国で年67.6万円で、都道府県の差は9.6万円にとどまる(総務省「社会・人口統計体系」の受給権者数と年金総額から当サイトが計算)。

年金の受給額は「平均月額」として報道されることが多いが、都道府県ごとの比較はあまり見かけない。総務省の「社会・人口統計体系」には、都道府県別の受給権者数と受給権者の年金総額が載っている。この記事では、年金総額を受給権者数で割った「受給権者1人当たりの年金額」を47都道府県について計算し、その数字が何を含み、何を含まないかを整理した。

マモル

年金って、住んでる地域で受け取る額が違うのかニャ?

コツゾウ父さん

長く働いて納めてきた分、頼りにしたいところだニャ。

キンゾウ父さん

年金を土台にして、ほかの備えも重ねておくと安心だニャ。

マモル

まずは地域ごとの受け取り額を、統計で確かめるニャ。

登場するのは架空のキャラクターです(ネコまつ家の紹介)。

結論

厚生年金保険の受給権者1人当たりの年金額は、2022年度の全国で69.3万円(年額)。12で割った月額換算は5.8万円で、当サイトの計算である。報道される「平均月額」とは定義が違う。

都道府県別では最高の神奈川県が82.1万円、最低の青森県が48.4万円で、差は33.7万円(1.69倍)ある。

国民年金の受給権者1人当たりの年金額は全国で67.6万円。最高の富山県(71.9万円)と最低の沖縄県(62.3万円)の差は9.6万円である。

厚生年金 受給権者1人当たり(全国) 69.3万円/年 月額換算5.8万円(当サイトの計算)
厚生年金 最高・神奈川県 82.1万円/年 最低の青森県は48.4万円
国民年金 受給権者1人当たり(全国) 67.6万円/年 都道府県の差は9.6万円

この記事の対象範囲

  • 対象は2022年度の全国と47都道府県で、厚生年金保険と国民年金の「受給権者数」と「受給権者年金総額」の4項目を使った。
  • 「受給権者1人当たりの年金額」は、年金総額(千円)を1,000倍して受給権者数で割った年額である(当サイトの計算)。報道される「平均月額」とは定義が違い、同じものとして比べられない。
  • 受給権者は、年金を受け取る権利を持つ人の数である。支給停止中の人も含むため、実際に年金を受け取っている人の数とは異なる。
  • 受給権者数と年金総額は、老齢・障害・遺族の年金を合わせた値である。老齢年金だけの数字ではない。
  • 厚生年金の年金総額は基礎年金(国民年金)の分を含まない。会社員だった人が受け取る年金の全体ではない。
  • 厚生年金に、公務員や私立学校教職員の共済組合等の分(第2〜4号厚生年金)が含まれるかは不明である。e-Statのこの表のメタ情報に注記がなく、確認できなかった。
  • 厚生年金と国民年金の受給権者は重なっている(厚生年金を受け取る人の多くは国民年金の受給権者でもある)。このため、2つの1人当たりの額を足し合わせてはいけない。

厚生年金は神奈川県の82.1万円から青森県の48.4万円まで

厚生年金の受給権者1人当たりの年金額は全国69.3万円。上位は神奈川県82.1万円、東京都77.2万円、千葉県76.7万円、下位は宮崎県52.9万円、沖縄県49.4万円、青森県48.4万円
図1 厚生年金 受給権者1人当たりの年金額(都道府県別、2022年度)

2022年度の厚生年金保険の受給権者数は全国で3,748.8万人、受給権者年金総額は26.0兆円だった。総額を人数で割ると、受給権者1人当たり年693,183円(69.3万円)になる。

都道府県別の上位3つは神奈川県82.1万円、東京都77.2万円、千葉県76.7万円、下位3つは宮崎県52.9万円、沖縄県49.4万円、青森県48.4万円である。全国の値を上回るのは16都道府県だった。最高と最低の差は33.7万円で、最高は最低の1.69倍にあたる。

国民年金の都道府県差は9.6万円

国民年金の受給権者1人当たりの年金額は全国67.6万円。上位は富山県71.9万円、島根県71.1万円、福井県70.9万円、下位は青森県65.1万円、大阪府64.8万円、沖縄県62.3万円
図2 国民年金 受給権者1人当たりの年金額(都道府県別、2022年度)

2022年度の国民年金の受給権者数は全国で3,681.8万人、受給権者年金総額は24.9兆円だった。受給権者1人当たりでは年675,998円(67.6万円)である。

都道府県別の上位3つは富山県71.9万円、島根県71.1万円、福井県70.9万円、下位3つは青森県65.1万円、大阪府64.8万円、沖縄県62.3万円である。全国の値を上回るのは26都道府県だった。最高と最低の差は9.6万円(1.15倍)で、厚生年金の差(33.7万円)より小さい。

47都道府県の一覧

受給権者数と年金総額は資料の値、1人当たりの年金額と順位は当サイトの計算である。年金総額は資料の単位(千円)を億円に直して四捨五入した。順位は1人当たりの年金額が高い順。

厚生年金保険

都道府県受給権者数(人)年金総額(億円)1人当たりの年金額(万円/年)順位
全国37,487,680259,85869.3―
北海道1,727,57410,23059.235
青森県420,9622,03948.447
岩手県419,4192,34055.841
宮城県675,0804,37864.926
秋田県370,4781,99753.943
山形県374,3632,17058.039
福島県613,4153,78361.730
茨城県832,9705,70368.518
栃木県582,2333,91967.322
群馬県605,8093,98065.725
埼玉県2,035,28715,17474.66
千葉県1,748,53613,41976.73
東京都3,155,72724,36077.22
神奈川県2,449,65620,10382.11
新潟県783,0095,07564.827
富山県378,2502,74472.59
石川県372,6152,50467.223
福井県263,8301,83869.616
山梨県253,8971,57562.029
長野県722,2894,86367.321
岐阜県643,6764,36267.819
静岡県1,211,6228,76772.410
愛知県2,042,91415,49175.84
三重県567,6594,00570.613
滋賀県419,9243,07773.38
京都府753,8985,26069.815
大阪府2,451,06617,72772.311
兵庫県1,674,72312,54874.95
奈良県416,1713,05373.47
和歌山県299,7561,89163.128
鳥取県198,4951,21861.432
島根県252,3201,55661.631
岡山県631,2944,40869.814
広島県914,0166,56771.812
山口県506,5463,50769.217
徳島県249,1691,49359.934
香川県331,9252,23767.420
愛媛県470,0592,86060.833
高知県246,4021,41357.340
福岡県1,517,81810,14366.824
佐賀県261,9431,52958.438
長崎県442,7962,60458.837
熊本県547,8923,04855.642
大分県386,7622,28159.036
宮崎県366,5141,93852.945
鹿児島県546,5102,93953.844
沖縄県301,1451,48749.446

国民年金

都道府県受給権者数(人)年金総額(億円)1人当たりの年金額(万円/年)順位
全国36,818,044248,88967.6―
北海道1,722,02411,44566.538
青森県440,3572,86565.145
岩手県431,0832,99369.417
宮城県679,6584,61067.825
秋田県373,9822,52067.431
山形県378,8152,62669.318
福島県612,9264,17468.123
茨城県869,5035,85767.432
栃木県590,9203,99667.626
群馬県603,1484,16669.119
埼玉県1,976,75413,22666.935
千葉県1,753,45911,82467.429
東京都3,110,80620,52166.042
神奈川県2,359,09915,90767.430
新潟県751,2345,30670.66
富山県345,8042,48671.91
石川県349,2932,46870.75
福井県244,2071,73270.93
山梨県262,4511,77067.428
長野県691,6494,90170.94
岐阜県622,2044,34969.912
静岡県1,148,6608,00769.714
愛知県1,949,82713,34068.420
三重県551,5143,86970.19
滋賀県394,8322,76570.011
京都府750,4334,97766.340
大阪府2,372,53315,36364.846
兵庫県1,604,50410,78967.233
奈良県434,3722,92067.234
和歌山県321,3432,11865.943
鳥取県186,8941,31070.110
島根県239,1271,70171.12
岡山県592,6454,16370.28
広島県849,8455,90269.416
山口県475,7453,32069.813
徳島県251,1751,67966.936
香川県314,6792,21370.37
愛媛県465,1003,17268.222
高知県252,7211,66265.844
福岡県1,465,3279,71466.341
佐賀県263,0081,83369.715
長崎県456,8433,04666.737
熊本県581,9603,98168.421
大分県389,8852,59066.439
宮崎県371,1812,50667.527
鹿児島県552,3003,75468.024
沖縄県367,4022,29062.347

この数字をどう読むか

厚生年金の1人当たりの額は都道府県の差が大きく、神奈川県や東京都など大都市圏の都県が上位に並ぶ。厚生年金の額は、加入していた期間の給与(報酬)と加入期間で決まる。給与水準が高く、会社員として長く働いた人が多い地域ほど、1人当たりの額が高くなると読める。

国民年金の1人当たりの額は、最高と最低の差が9.6万円と小さい。国民年金(基礎年金)の額は給与に関係なく、主に保険料を納めた期間で決まるためと考えられる。

ただし、どちらの額も支給停止中の受給権者や障害・遺族年金の受給権者を含む平均である。老齢年金を受け取る人だけの平均とは違い、1人当たりの額が低い県でも、それだけで高齢者の年金が少ないとは言えない。

年金の額は、老後の家計を支えるもう一つの柱である貯蓄とあわせて見る必要がある。二人以上の世帯の貯蓄現在高は、世帯主が60代のときに2,394万円で最も多い(年代別の貯蓄、60代2,394万円・30代831万円|67%以上が平均未満)。

このデータの限界

  • 受給権者は支給停止中の人を含む。働いて収入がある人の年金が止まっている場合なども数に入るため、実際の受給者1人当たりの額とは異なる。
  • 受給権者数と年金総額は老齢・障害・遺族の年金を合わせた値である。この表の老齢年金だけの内訳は2006年度で終わっており、2022年度は分けられない。
  • 厚生年金の年金総額は基礎年金を含まない。会社員だった人が受け取る年金の合計(厚生年金+基礎年金)は、この表からは計算できない。
  • 公務員や私立学校教職員の共済組合等の分(第2〜4号厚生年金)が厚生年金の数字に含まれるかは不明である。この表のメタ情報に注記がなかった。
  • 厚生年金と国民年金の受給権者は重なっているため、2つの1人当たりの額を足しても、1人が受け取る年金の額にはならない。
  • 1人当たりの年金額は当サイトの計算で、報道される「平均月額」とは定義が違う。12で割った月額換算も、平均月額として扱えない。
  • 全国の受給権者数は、47都道府県の合計より厚生年金で49,266人、国民年金で44,813人多い(年金総額も同様に全国のほうが大きい)。差の内訳はこの表からは分からない。全国の1人当たりの額は全国の値どうしで計算した。
  • この4項目の最新は2022年度である(2026年10月5日確認)。

よくある誤解

「1人当たり69.3万円を12で割れば、ニュースの平均月額になる」

なりません。この記事の額は、支給停止中の人や障害・遺族年金の受給権者を含む「受給権者」で割ったもので、厚生年金の分には基礎年金も入っていません。報道される「平均月額」とは集計の対象も中身も違うため、月額換算の5.8万円を平均月額として比べることはできません。

「厚生年金と国民年金の1人当たりを足せば、会社員OBの年金額になる」

なりません。厚生年金と国民年金の受給権者は重なっていますが、国民年金の受給権者には自営業だった人なども含まれ、2つは別の集団の平均です。足し合わせても、特定の人が受け取る額にはなりません。

「1人当たりの額が低い県は、高齢者の暮らしが苦しい」

この数字だけでは言えません。障害・遺族年金や支給停止中の人の割合、ほかの収入や物価は県ごとに違い、この記事のデータには入っていません。

受給権者1人当たりの年金額について、よく聞かれること

この数字はどこが公表していますか

受給権者数と年金総額は、総務省統計局の「社会・人口統計体系」(都道府県データ)としてe-Statで公表されています。1人当たりの年金額は、その2つから当サイトが計算しました。

いちばん新しい数字はいつの時点ですか

2026年10月5日時点で、この4項目の最新は2022年度です。

自分が受け取る年金額の目安になりますか

なりません。都道府県全体の平均で、障害・遺族年金や支給停止中の人も含みます。ご自身の見込額は、日本年金機構の「ねんきん定期便」や「ねんきんネット」で確認できます。

出典

  • 総務省「社会・人口統計体系 都道府県データ 基礎データ J 福祉・社会保障」(e-Stat、統計表ID 0000010110、最終更新日 2026年6月19日)
  • 使った項目:J5103_厚生年金保険受給権者数(人)、J5104_厚生年金保険受給権者年金総額(千円)、J5202_国民年金受給権者数(人)、J5203_国民年金受給権者年金総額(千円)。いずれも2022年度。
  • この表のメタ情報には、元の資料(作成機関・資料名)の記載がない。

受給権者1人当たりの年金額、月額換算、順位、最高と最低の差は、公表値から当サイトが計算した。

データダウンロード

この記事で使った都道府県別の受給権者数・年金総額と、当サイトで計算した1人当たりの年金額は、CSVで自由にダウンロードできます。ライセンスはCC BY 4.0で、出典は総務省「社会・人口統計体系」(e-Stat)です。

Noデータ名出典ダウンロード
1厚生年金保険・国民年金の受給権者数と年金総額、受給権者1人当たりの年金額(全国と47都道府県、2022年度)総務省「社会・人口統計体系」(e-Stat)CSVを保存

その他のデータはデータベースにまとめています。

更新履歴

2026年10月5日:公開

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