勤労者世帯の可処分所得は月478,653円|税・社保等は実収入の17.2%

勤労者世帯の可処分所得は月478,653円|税・社保等は実収入の17.2%

二人以上の世帯のうち勤労者世帯の実収入は、1世帯当たり1か月間で全国577,970円だった(2024年)。ここから直接税36,717円と社会保険料62,559円などの非消費支出99,317円を引いた可処分所得は478,653円で、非消費支出は実収入の17.2%にあたる。都道府県別の可処分所得は、東京都(可処分所得1位)の552,575円から沖縄県(可処分所得47位)の398,556円までの幅がある(総務省「令和6年全国家計構造調査」)。

収入から税や社会保険料が差し引かれたあとに残る額は、日常では「手取り」と呼ばれることが多い。家計の統計でこれにあたるのが可処分所得で、実収入から非消費支出(直接税・社会保険料など)を差し引いた額である。この表でも、全国の実収入から非消費支出を引くと可処分所得に一致する。都道府県では6県で1円の差がある(当サイトで確認)。

全国家計構造調査は、総務省が5年ごとに行う調査で、家計の収入・支出と資産・負債を全国規模で集計している。この記事では、2025年12月19日に公表され2026年8月28日に更新された「1世帯当たり1か月間の収入と支出」の表から、勤労者世帯の実収入・非消費支出・可処分所得を全国と47都道府県について取り出して整理した。

マモル

給料から税金や保険料が引かれるって、本当なのかニャ?

カセマル

稼いでも、全部が手元に残るわけじゃないんだニャ。

キンゾウ父さん

入ってくるお金と出ていくお金を分けて見るのが、はじまりだニャ。

マモル

何がどれだけ引かれてるか、家計の統計で見てみるニャ。

登場するのは架空のキャラクターです(ネコまつ家の紹介)。

結論

二人以上の世帯のうち勤労者世帯の可処分所得(統計上の「手取り」)は、全国で1か月478,653円。実収入577,970円から、非消費支出99,317円を引いた額である。

非消費支出は実収入の17.2%。内訳は社会保険料が62,559円(非消費支出の63.0%)、直接税が36,717円(同37.0%)で、最も大きい項目は公的年金保険料の35,729円である。

都道府県別の可処分所得は、最も多い東京都の552,575円から最も少ない沖縄県の398,556円まで、差は154,019円。実収入の差(218,957円)より小さい。

可処分所得(全国、1か月間) 478,653円 実収入577,970円−非消費支出
非消費支出(全国、1か月間) 99,317円 直接税・社会保険料など
非消費支出の割合(全国) 17.2% 実収入に占める割合(当サイト計算)

この記事の対象範囲

  • 使った表は、総務省「令和6年全国家計構造調査」家計収支に関する結果[家計総合集計]の表1-1「1世帯当たり1か月間の収入と支出‐(細分類)」である。
  • 世帯は、世帯の種類「二人以上の世帯」、世帯区分「勤労者世帯」、世帯主の性別「平均」の値だけを使った。総世帯・単身世帯や、世帯区分「全世帯」「無職世帯」の値とは混ぜていない。
  • 金額はすべて1世帯当たり1か月間の平均(円)である。年間の額ではなく、この記事では年額に換算していない。
  • e-Statの統計表情報では、調査年月は2024年1月〜2024年12月と示されている。家計簿をつけた具体的な期間は、この表の情報には書かれていない。
  • 項目は、実収入とその内訳、非消費支出(直接税・社会保険料・他の非消費支出とその内訳)、可処分所得である。
  • 二人以上の世帯(世帯区分は全世帯)の消費支出は、別の記事「消費支出は月301,797円|東京都344,935円・青森県246,120円」で扱っている。世帯区分が違うため、その記事の数字とこの記事の数字は並べて比べていない。
  • 割合、順位、差は当サイトの計算である。順位は多い順で、同じ値は同じ順位とした。

実収入577,970円から非消費支出を引くと478,653円

実収入577,970円から直接税36,717円、社会保険料62,559円、他の非消費支出41円を引くと可処分所得478,653円
図1 実収入から可処分所得へ(全国、二人以上の世帯のうち勤労者世帯、1世帯当たり1か月間、2024年)

全国の勤労者世帯では、実収入577,970円から直接税36,717円、社会保険料62,559円、他の非消費支出41円が差し引かれ、可処分所得は478,653円になる。可処分所得は実収入の82.8%である。

実収入は世帯主1人の収入ではない。勤め先収入507,690円のうち、世帯主収入は381,115円で、世帯主の配偶者の収入が96,057円、他の世帯員収入が30,518円ある。このほか事業・内職収入、他の経常収入、特別収入も実収入に入る。世帯主収入は実収入の65.9%である。

実収入の内訳(全国、円/月)。上位の項目は、e-Statの項目分類の階層である。

項目上位の項目金額(円)実収入に占める割合(%)
実収入―577,970100.0
経常収入実収入570,00198.6
勤め先収入経常収入507,69087.8
世帯主収入勤め先収入381,11565.9
世帯主の配偶者の収入勤め先収入96,05716.6
他の世帯員収入勤め先収入30,5185.3
事業・内職収入経常収入7,8111.4
他の経常収入経常収入54,5009.4
特別収入実収入7,9691.4

この世帯区分の平均の世帯人員は3.09人、有業人員は1.87人、世帯主の年齢は49.9歳である(全国)。

非消費支出99,317円のうち社会保険料が62,559円

非消費支出の内訳は公的年金保険料35,729円、個人住民税21,143円、健康保険料20,751円、勤労所得税13,443円、介護保険料3,874円、他の社会保険料2,204円、他の税2,132円、他の非消費支出41円
図2 非消費支出の内訳(全国、二人以上の世帯のうち勤労者世帯、1世帯当たり1か月間、2024年)

非消費支出99,317円の内訳は、社会保険料62,559円(63.0%)、直接税36,717円(37.0%)、他の非消費支出41円である。割合は非消費支出に対する額で、当サイトが計算した。

社会保険料の内訳では、公的年金保険料が35,729円で最も大きく、健康保険料20,751円、介護保険料3,874円、他の社会保険料2,204円が続く。直接税の内訳では、個人住民税が21,143円で、勤労所得税の13,443円より多い。他の税は2,132円である。

非消費支出の内訳(全国、円/月)。

項目上位の項目金額(円)非消費支出に占める割合(%)実収入に占める割合(%)
非消費支出実支出99,317100.017.2
直接税非消費支出36,71737.06.4
勤労所得税直接税13,44313.52.3
個人住民税直接税21,14321.33.7
他の税直接税2,1322.10.4
社会保険料非消費支出62,55963.010.8
公的年金保険料社会保険料35,72936.06.2
健康保険料社会保険料20,75120.93.6
介護保険料社会保険料3,8743.90.7
他の社会保険料社会保険料2,2042.20.4
他の非消費支出非消費支出410.00.0

内訳の額を足すと、四捨五入の関係で上位の項目と最大1円ずれる地域がある。

可処分所得は東京都の552,575円から沖縄県の398,556円まで

可処分所得は全国478,653円。多いのは東京都552,575円、神奈川県522,423円、福井県517,379円、少ないのは長崎県416,805円、宮崎県410,931円、沖縄県398,556円
図3 可処分所得と非消費支出(都道府県別、二人以上の世帯のうち勤労者世帯、1世帯当たり1か月間、2024年)

勤労者世帯の可処分所得が多いのは東京都(可処分所得1位)552,575円、神奈川県(可処分所得2位)522,423円、福井県(可処分所得3位)517,379円。少ないのは長崎県(可処分所得45位)416,805円、宮崎県(可処分所得46位)410,931円、沖縄県(可処分所得47位)398,556円である。全国の478,653円を上回るのは13都道府県だった。

実収入でも東京都(実収入1位)が680,174円で最も多く、沖縄県(実収入47位)が461,217円で最も少ない。両者の実収入の差は218,957円だが、非消費支出も東京都が127,599円、沖縄県が62,661円と64,938円の差があるため、可処分所得の差は154,019円になる。

実収入に占める非消費支出の割合が高いのは愛知県(非消費支出の割合1位)19.9%、東京都(非消費支出の割合2位)18.8%、茨城県(非消費支出の割合3位)17.9%。低いのは青森県(非消費支出の割合45位)15.1%、福岡県(非消費支出の割合45位)15.1%、沖縄県(非消費支出の割合47位)13.6%である。

47都道府県の一覧

二人以上の世帯のうち勤労者世帯の、1世帯当たり1か月間の額(円)。非消費支出の割合は実収入に占める割合(%)、順位は可処分所得の多い順で、どちらも当サイトの計算である。非消費支出には直接税・社会保険料のほか他の非消費支出が入るため、直接税と社会保険料の合計とは一致しない。実収入の内訳・税と社会保険料の内訳・ほかの順位はCSVに収めた。

都道府県実収入(円)非消費支出(円)直接税(円)社会保険料(円)可処分所得(円)非消費支出の割合(%)可処分所得の順位
全国577,97099,31736,71762,559478,65317.2―
北海道505,22781,58025,49756,028423,64716.144
青森県515,37577,84624,19053,608437,52915.140
岩手県572,57890,50229,05461,417482,07615.813
宮城県568,91895,67134,51961,083473,24716.815
秋田県526,57586,28326,62459,618440,29216.436
山形県552,30094,74530,45264,256457,55617.228
福島県521,81380,35524,45355,810441,45815.435
茨城県608,167108,60540,94567,644499,56217.96
栃木県586,95298,76833,04665,670488,18416.88
群馬県600,820106,82938,64668,174493,99117.87
埼玉県580,66697,81736,02761,770482,84816.812
千葉県613,548107,60441,88365,686505,94417.55
東京都680,174127,59956,25871,276552,57518.81
神奈川県636,662114,23945,95868,263522,42317.92
新潟県557,22895,35229,74565,569461,87617.123
富山県616,174100,47232,01368,434515,70216.34
石川県554,47694,87034,34060,506459,60617.127
福井県624,178106,80041,25065,405517,37917.13
山梨県556,94397,18133,99263,187459,76217.426
長野県565,45895,24231,17263,960470,21616.817
岐阜県560,75092,31930,22462,091468,43116.518
静岡県581,48598,39435,18063,126483,09116.911
愛知県606,379120,38053,12367,221486,00019.99
三重県539,47485,56027,83957,687453,91415.929
滋賀県559,59791,98030,30261,670467,61716.419
京都府524,94087,34126,84960,440437,59916.639
大阪府557,08691,86231,52760,308465,22416.520
兵庫県569,12795,42934,99560,386473,69816.814
奈良県550,02789,40430,54958,855460,62416.324
和歌山県538,86385,19330,25854,832453,67015.830
鳥取県552,23288,56027,05661,292463,67216.022
島根県530,17484,93324,68360,200445,24116.033
岡山県539,60591,41429,41061,991448,19116.932
広島県556,28591,12130,79360,328465,16416.421
山口県530,30888,75128,82659,884441,55716.734
徳島県581,24995,59933,70761,808485,65016.410
香川県567,70794,76430,98163,775472,94416.716
愛媛県506,83081,09927,49553,563425,73116.043
高知県541,13890,81830,82059,981450,32016.831
福岡県504,72776,01924,72251,222428,70815.141
佐賀県521,29882,81823,17259,646438,48015.938
長崎県501,53384,72827,73556,993416,80516.945
熊本県552,58192,19836,02256,151460,38316.725
大分県527,18788,39927,63160,767438,78816.837
宮崎県496,35285,42127,23558,076410,93117.246
鹿児島県505,07377,24824,65552,593427,82515.342
沖縄県461,21762,66118,80343,789398,55613.647

この数字をどう読むか

都道府県の差は、実収入で見るか可処分所得で見るかで大きさが変わる。実収入が最も多い東京都と最も少ない沖縄県では、非消費支出も東京都のほうが多いため、実収入の差218,957円が、可処分所得では154,019円になる。それでも両端の順位は変わらず、東京都は可処分所得でも最も多く、沖縄県は最も少ない。

ただし、実収入に占める非消費支出の割合は、実収入の順位どおりには並ばない。例えば富山県(実収入4位)は実収入が多いが、割合で見ると富山県(非消費支出の割合33位)で、全国の17.2%を下回る16.3%である。割合の違いが何によるかは、この表からは分からない。

どの額も1世帯当たりの平均で、世帯の人数や働き手の数をそろえていない。有業人員は全国で1.87人、都道府県では北海道の1.75人から群馬県の2.02人まで違う。可処分所得の多い少ないを、1人当たりの手取りの多い少ないとして読むことはできない。

個人の給与で見ると、民間の給与所得者の平均給与は487万円である(年代別の平均給与|男女計487万円、ピークは55〜59歳の573万円)。ただし給与は個人の年額で、この記事の世帯の1か月の額とはそのまま比べられない。

このデータの限界

  • 金額は1世帯当たり1か月間の平均で、年間の額ではない。平均値なので、多くの世帯の典型的な額とは一致しない可能性がある。
  • 集計世帯数(概数)は全国で17,190世帯だが、都道府県では最も少ない和歌山県で190世帯、最も多い愛知県でも870世帯である。都道府県の値は振れが大きい可能性があり、順位の小さな違いを重く見ないほうがよい。
  • この表の「-」は「該当数字がない」、「X」は「集計世帯数が少ないため秘匿しているもの」を表す。この記事で使った項目では、他の非消費支出が広島県・佐賀県・鹿児島県で「-」になっている。CSVでは「-」のまま収めた。ほかの項目に「-」と「X」はなかった。
  • 物価の違いは調整していない。同じ額でも、地域によって買える量は違う可能性がある。
  • この表から分かるのは世帯の合計である。世帯の中の誰が、どの税や社会保険料をいくら負担しているかは分からない。
  • 全国家計構造調査と家計調査は別の調査である。どちらにも「可処分所得」があるが、調査の方法や対象が違うため、この記事の数字を家計調査(毎月公表)の数字と混ぜて比べてはいけない。

よくある誤解

「可処分所得の478,653円は、給与明細の手取りと同じもの」

違います。給与明細の手取りは、1人の1回の給与から税や社会保険料などを引いた額です。この記事の可処分所得は、世帯全員の収入を合わせた実収入から、世帯の非消費支出を引いた額で、しかも多くの世帯の1か月間の平均です。全国の実収入577,970円のうち、世帯主収入は381,115円(65.9%)で、配偶者や他の世帯員の収入、事業・内職収入、他の経常収入、特別収入も入っています。

「実収入の17.2%が税金で引かれている」

正確ではありません。非消費支出99,317円のうち、税(直接税)は36,717円で、より大きいのは社会保険料の62,559円です。税だけでは実収入の6.4%です。

「可処分所得を12倍すれば、勤労者世帯の年間の手取りになる」

この表からは言えません。表の数字は1世帯当たり1か月間の平均で、この表の情報からは家計簿をつけた具体的な期間が分かりません。この記事では年額への換算はしていません。

勤労者世帯の手取りと税・社会保険料について、よく聞かれること

「手取り」と「可処分所得」は同じですか

家計の統計では、実収入から非消費支出(直接税・社会保険料など)を引いた額を可処分所得と呼び、日常の「手取り」に近い考え方です。ただし世帯単位の平均で、個人の給与の手取りとは別のものです。

なぜ勤労者世帯だけの数字なのですか

同じ表には世帯区分「全世帯」「無職世帯」「その他の世帯」の値もあります。この記事では、勤め先収入から税や社会保険料が差し引かれる流れを見るため、世帯区分「勤労者世帯」の値だけを使い、ほかの区分とは混ぜていません。

単身世帯の数字はありますか

同じ表に単身世帯と総世帯の値もあります。この記事では世帯の種類を混ぜないため、二人以上の世帯の値だけを使いました。

この数字はどこが公表していますか

総務省統計局が「全国家計構造調査」として公表しています。この記事で使った表は2025年12月19日にe-Statに掲載され、2026年8月28日に更新されています。

出典

  • 総務省「令和6年全国家計構造調査 全国 家計収支に関する結果[家計総合集計]」表1-1「1世帯当たり1か月間の収入と支出‐(細分類)」(e-Stat、統計表ID 0004039817、公表日2025年12月19日、最終更新日2026年8月28日)
  • 使った区分:世帯の種類「二人以上の世帯」、世帯区分「勤労者世帯」、世帯主の性別「平均」、表章項目「1世帯当たり1か月間の収入と支出」(単位:円)・「集計世帯数(概数)」・「世帯人員」・「有業人員」・「世帯主の年齢」、地域は全国と47都道府県。

全国家計構造調査の周期(5年ごと)は、総務省統計局「令和6年全国家計構造調査」の「1959年以来5年ごとに実施」という記載による(2026年10月5日確認)。

割合、順位、差、全国を上回る都道府県の数は、公表値から当サイトが計算した。

データダウンロード

この記事で使った数値は、CSVで自由にダウンロードできます。ライセンスはCC BY 4.0で、出典は総務省「全国家計構造調査」です。

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1実収入・非消費支出(直接税・社会保険料と内訳)・可処分所得の額と順位(二人以上の世帯のうち勤労者世帯、1世帯当たり1か月間、全国と47都道府県、2024年)総務省「全国家計構造調査」CSVを保存
2実収入と非消費支出の内訳・割合(二人以上の世帯のうち勤労者世帯、1世帯当たり1か月間、全国、2024年)総務省「全国家計構造調査」CSVを保存

その他のデータはデータベースにまとめています。

更新履歴

2026年10月5日:公開

本記事は情報提供を目的としたもので、特定の金融商品の購入を勧めるものではありません。詳しくは免責事項をご覧ください。

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